FC2ブログ

続けたくともできないこと

富山では、男の子が生まれると最初の正月に、
子供の無病息災、学業成就を願って、
母親の里から天神様の掛け軸や木彫りの人形が贈られます。

実家では、父は他界しましたが、母が毎年父の天神様を
飾ります。
父は、大正15年(昭和元年)の生まれでしたので、
この天神様は既に86年間、実家の正月を見続けていらした
のです。
父の天神様は、木彫りの彩色の人形です。
とても凛々しく、美男子で、
私はいつもうっとりと見入ってしまいます。


毎年年の瀬の12月25日に飾り初め、
1月25日にお神酒と尾頭付きの魚をお供えした御膳を用意して
今年の礼をしてしまいます。
その間毎日、お食事や、お茶、お菓子、珍しい頂き物などを
お供えします。
ぼんぼりと(梅の形の金の紋が入ります)、三方に鏡餅(鏡開きまで)、
瓶子(へいし:お酒を入れる徳利)、お酒を入れない時は竹細工の榊等
飾る方法もいろいろ決まりごとがあるようです。

子供のころは、正月の2日に天神様の前で書き初めをすると
字がうまくなるといわれ、励んだものでしたが…。
そしてその書き初めは氏神様の神社の火祭りで燃やすのです。
灰が高く舞い上がると、字が上手になると言われていました。
(残念ながら励みようが足らず、灰も高くは舞いませんでした)

今年もあたりまえのように飾ってある天神様を拝んでおりましたら、
母がぼそっとつぶやきました。
「だんだんお守がつらくなってきた」
「今年は、御馳走も簡単にさせて頂くわ」

一人暮らしの82歳を迎えた母は、膝が痛くなり、
買物も思うようにできなくなっておりました。
いろんな用事は、週に一度私が出掛けて済ましていますが、
天神様はじめ、神仏のお守は、
毎朝のお水やお茶お酒、
おぼくさま(仏壇にお供えするご飯)のご用意や、
先祖の命日の御坊様のおつとめ(お経をあげに訪問して
くださる)の接待などなど。
あたりまえのことですが、きちんとするとこはひと仕事です。

もし、母が家を長期に空けるようなことになったら
どうしよう?
天神様だけでなく、お雛様も飾る事は難しいでしょう。

それは、地域に永く伝わってきた文化を途絶えさせて
しまうことになります。

しかし、
残念だからといって、私の家で飾ることもできません。

いまや、実家の隣も向いも多くのご近所が、一人暮らしの
老人の家、および空き家となってしまいました。
きっとそれらのすべてに、それぞれ昔は大切に飾られた
天神様やお雛様が箱の中にしまわれたまま、
ひっそりとおいでになるのでしょう。

私は、移りゆく時代にあわせて変化していかなければならないと
いつも思っています。

しかし、変化していくためには、
「したくともできなくなることに、別れを告げなければならない」
こともあるようです。
スポンサーサイト
     

コメント

Secret

     
プロフィール

ファイナンシャル・プランナー 横山純子

Author:ファイナンシャル・プランナー 横山純子
富山市在住
6月5日生まれ
血液型:B型

CFP(日本FP協会認定)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士
宅地建物取引士

ハウスメーカーに18年半勤務後
不動産会社に8年勤務
2010年独立

屋号:サンク∞マネー 

〒930-0866
富山市高田527 情報ビル5F

E-mail:yokojunn@gmail.com


マネーバランスFPは、

生きていくために必要な、
「おカネ」と上手につきあい、
「不動産」と「保険」と
「金融商品」を活用し、
家族みんなが健康に、
人の和に恵まれて
心豊かに生きることができるよう、
末永くお手伝いをしていきます。

日本マネーバランスFP協会
http://www.jmbf.jp/kyokaiinnosyoukai.html#fp

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR